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今年度もGF:愛知県豊橋市×N R I とよはしカフェ内閣府モデル事業
今年最初にご紹介した絵巻物「豊橋市 子ども・若者 支援機関フォーラム」(昨年度) http://www.graphic-facilitation.jp/cp-bin/blog/index.php?eid=191 ふたたび、絵巻物にできる機会をいただきました! 「豊橋市 子ども・若者 支援機関フォーラム」(今年度 第1回) ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() ニート、引きこもり、不登校、高校中退、障害者や外国人など 社会生活をするうえで困難を有する子ども・若者たちを 支援する関係機関の方々です。 内閣府の「子ども・若者育成支援推進法」に基づく 「子ども・若者支援地域協議会体制整備事業」という事業の1つです。 内閣府では、「困難を有する子ども・若者」を総合的に支援するために 地域における支援体制の整備(ネットワーク構築やそのための人材育成など)を モデル事業として現在全国15地域で実施しています。その1つが豊橋市です。 内閣府HPもぜひのぞいてみてください。 http://www8.cao.go.jp/youth/model/index.html ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 多様な参加メンバーが一同に会して未来を模索する会議が増えましたが よく会議の進め方で陥りがちなのは いきなり連携の「方法論」から話しはじめること。 するとたいていお互いの利害関係が絡み合い議論が未来に進まなくなります。 けれど、この豊橋市のフォーラムからいつも学ぶことは、 まず連携を組むメンバー同士が「お互いをよく知り合う」ことから始めると 結果的にそれが何よりも「速い連携」を生むということです。 ということで今回も豊橋市役所さま×野村総合研究所(NRI)さまによって 出席者同士「お互いをよく知りあってほしい」という思いのこもった おもてなし感いっぱいの「とよはしカフェ」という名の対話の場が用意されました。 ![]() その日の対話や会議がうまくいくかいかないかは すでに準備の段階から、大きな差が生まれているということです。 ![]() また、左手に見えてるパックの中の3色おまんじゅう。 参加メンバーでもある就労移行支援事業所One bitさんで作られているものです。 他にもお菓子やテーブルクロスが用意されていました。 こうした細かな気配り「おもてなし」が本当にあなどれません! しかもこの日は本当に暑かった! そんな中わざわざ足を運んでくださった参加者が到着するたびに 豊橋市役所の方たちのウエルカム感が、いつも本当に素晴らしい! フォーラムが始まる前から「連携」の一歩が テーブルの至るところで始まっていました。 ![]() 教育委員会、教員、NPO法人の方々、 相談員さん、就学指導員さん、就労支援をされる方 保健師さん、看護士さん、臨床心理士さん、カウンセラーさん 保護観察官、警察、校長先生、現役やOB、 通信制学校やフリースクールを運営する方 などなど… みなさん現場で子ども•若者と日々向き合う方たちです。 同じ支援をする仲間たちと「お互いをよく知り」「ざっくばらんに」 将来の子ども•若者支援を話し合いましょう! という一声から まずは自己紹介ゲームからスタート。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 何か結論を出すことが目的ではなく お互いの日々の活動内容や思いに耳を傾け対話する3時間。 1テーブル4人×14テーブルのワールドカフェ形式。 対話テーマは 1round 「あなたが今までの仕事の中で、一番大変だったのはどのようなことですか」 2round 「今まで自分が仲間と仕事をした中で、一番うれしかった/充実していたことは?」 3round 「あなたご自身にとって、10年後の子ども•若者と支援する方々の 理想の状態はどのようなものだと思いますか?」 多くのワールドカフェでは、たいてい1ラウンド目は 会話のエンジンがかからずわたしの絵筆も比較的のんびりさせてもらえるものなのですが この日はもう1ラウンド目から大忙しでした(^0^)! ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() じぶんの部屋に閉じこもる子どもたち(絵の中:上と右下)。 左下の女の子は、部屋に閉じこもっていませんが 大学に来ても学食の友達のところに入って行けず、保健室へ直行…。 その、じぶんの内へ内へとどんどん閉じこもっていく様子は 部屋に閉じこもっているのとソックリな状態です。 彼女の「居場所が無い」という言葉は じぶんの部屋に閉じこもる子どもたちもつぶやく共通の声に思えました。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 正直どんな色で描いていいかわからなかったんです。 絵筆を戸惑わせた、つまりGF的には、今回の大事なキーワードの1つと思えたのが 「グレーゾーン」という言葉。これがうまく描けなかった。 絵の中:左上 障害を抱えているのに「障害手帳をもらえない」 グレーゾンにいる子どもたち。 絵の中:右上 不登校の子どもたちがいる場所は、家庭と学校の間のグレーゾーン。 絵の中:中央 学校を卒業した後、就職先もすぐに辞めてしまったとき 「どこにも所属していない」というグレーゾーンに居る若者たち。 しかし、そんなグレーゾンの子どもに下から真っ赤な魔の手が伸びている!!! 「グレーゾン」を描こうとしたら、コワくなりました。 もがいたところで抜け出せない暗闇です。どこまで描き続けたらいいのか。 この世の中を色で塗ろうとしたらグレーゾーンのほうがずーっと広範囲を占めているのでは… この日集まった支援機関の方々は皆さん そんな「グレーゾン」から抜け出せず苦しんでいる子ども•若者たちや その両親と向き合って日々なんとかしたいと活動されているのですネ。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 「見ている」VS「見ていない」「見たくない」 という対象的な絵が描けています。 「グレーゾン」を「見ている」を支援機関の方たち VS 「グレーゾン」を「見ていない」「見たくない」親や周囲の人たち とも言えるかもしれません。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 左上から右下に描いた青い線は、子どもが進むべき正しい道。 それから外れた子どもには「ダメ!」と叱っています(絵:右下) そう叱られてた子ども(絵:左下)の心の声「俺たちの気持ちをわかってくれない」は この後、困難を抱える子どもたちすべてに描けてくるセリフでもありました。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 「支援、支援と言っているけれど、我々は子どもの気持ち、本当にわかっているのか」 という声から描けた一枚です。 青い円は「子どもの世界」。 その円の外から(絵:右上から)「支援!支援!」と駆けつける支援者たちの絵。 でも、支援のために走っても走っても空回りしている支援者の絵や 「支えて応援!(=支援)」と言って旗を振っている支援者に対して 子どもが「ウゼ〜ッ」と言ってそう…という絵が描けてきました。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 「これから子ども•若者はどんどん希少価値になっていく」という言葉を聴いて 「子どもをピカピカと光らせた」のは大人目線。 でも、子どもの絵を描いてみたら、その表情は困惑顔で 心の中で「ウゼ〜」と言っている声が思わず書けてしまいました。 絵の中:左上にはこちらもグレーゾンが広がっています。 学校と家庭の間に民間やNPOが入りにくく「行政さん、なんとかしてー!」という絵です。 さて、ワールドカフェで席替えをしていろんな意見を聞いた後、 参加者のみなさんが元の席に戻って次に話し合ったのは「現状の洗い出し」。 じぶんたちの支援について 「得意なこと/困っていること/気になっていることが何でしょう?」 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() 「情報」を知らない。正しい「情報」がないから判断できない。 「親」の問題。「親自身」が抱える問題。 次の絵にも「お金」の問題、「支援者の支援が必要」といった共通の声が描けました。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 中退して所属の無くなった若者が、どこの土地にも橋を架けられず孤立しています。 じぶんの足で降りて梯子をかけに行く気力もない。 じぶんたちの議論を振り返り俯瞰しました。 この後ろ姿は、GF的には、まずは物理的に(!) 「みなさんの目線を一つにしている」瞬間でもあります。 ![]() 至るところに描き出されていました。 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 ![]() ここに集まった人たちの共通の思い。「子どもたちに何ができる?」 絵の中:左下「子どもの気持ちどこまでわかってたかな…」という声も 多くの参加者の方たちが大切な気づきとして得たものでした。 つまりみなさんの目線の先にある共通の絵は 「子ども•若者の未来」です。 さいご「わたしたちの一歩」を宣言して閉会となりました。 「理想の将来像を実現するために、まず私たちにできることはどのようなことだろう?」 「明日の朝から心がけたい、大事にしたい行動指針や約束事は?」 ※絵はクリックすると拡大して見られます。 「連携」という漢字二文字だけ見ていると なんだか大きな組織の取り組みのように感じたりもしますが GF的には、お互いが「一線を超えて踏み出す」 そんな小さな一歩の絵が描けたとき、連携が始まると実感します。 多くの会議で本当によく描くのは、縦割り組織の象徴 「だれがこのグレーゾーンを受け持つの!?」という対立です。 「わたしの仕事はココまで」と一線を引いてしまう絵。 けれどそこで大事なのは、目線の先は、「対立」ではなく、「同じ方向」です。 そのためにも目線が1つになる何か。その見つめる先を絵に出来ると GF的にはとてもイイ議論ができたといえます。 この日集まったのは、総勢56名。豊橋市を中心に 今年度はさらに浜松市、知多(半田、武豊など)地域の広域連合の関係者が参加されました。 昨年度から進化して、「県をまたいで」いるのがスゴイんです〜! 豊橋市教育委員会のMさんが「県をまたいで」活動しているからなのですが 「県をまたぐ」姿を絵にしたらまさに「一線を越えて踏み出す」絵と同じ。 GF的には、主催者自身が、じっとしていられない連携マンなのでした(^^) 困難を抱えている子ども•若者にとっては「市が違うから」 「県が違うから」「担当が違うから」なんて関係ないことですから それは当然のあるべき姿とも言えるかもしれませんが、でも、 何かとオトナの事情に振り回されやすいのも事実です。 そんなときは一度立ち止まって 「未来」に目を向けることをオススメします。 そうると向き合い対立していた目線を、ふと同じ方向に向けることができます。 「目の前の仕事で忙しいのにそんな未来とか悠長な議論をしている暇はない」 と言われることもありますが 「連携方法」について話し合う前に、まずは 「ありたい姿•未来」に目線を向けられると、途端に楽に 「一線を超えて踏み出す」絵=連携の始まる絵が描けてくる。 そのほうが結果的にゴールに速く近づけると信じてほしいです。
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