「左脳的議論」で解決できない何かがあったら「右脳的対話」で。

正解が1つではない時代に、普段の「論理的な思考」から離れるために、色んな手法を取り入れたワークショップやフィールドワークを絵筆でご支援する機会が多いです。デザイン思考とかアート思考とか、人間中心設計とか、カスタマーエクスペリエンス、ユーザーエクスペリエンスとか、エスノグラフィーとか…。

しかし、事前の打ち合わせで「おっと、それだと普段の会議と変わらないのでは?」と思うことがあります。その「問いかけ」やその「言葉」を使ってしまうと、絵巻物には普段の論理的な思考のままの話し合いを描くことになってしまう(いい絵が描けない!)。主催者も、企画している時点で知らず知らずのうちに論理的思考が発動してしまうんですね。

グラフィックファシリテーションの本質は、普段の「左脳的議論」とはまったく真逆のアプローチをするところにあります。その特徴の一つが言葉の使い方。いかに「右脳的対話の場」をつくれるか。参加者からどんな言葉を引き出すか。発言次第で、良い絵巻物になるか否か1日の成果に大きな差が出てしまうので、問いの言葉選びやちょっとした投げかけの言葉一つにも実はかなり敏感です。

使う「言葉」を変えるだけで違ってきます。

「左脳的議論」と「右脳的対話」と勝手に名付けているのですが、具体的に対比させたのがここで紹介している表です。表の左側が「左脳的議論」で使われている言葉。表の右側が「右脳的対話」を創りだす場で(絵巻物になる会話をしてもらいたいとき)、司会進行する方たちに使ってほしいとお願いしている言葉です。

使う「言葉」を変えるだけで、グラフィックファシリテーションの要素を普段の会議で実践することは可能です。

多くの「左脳的議論」は先を急いで、要点と結論を急いでいます。論理的、効率的、生産的、数字とデータ、根拠を求められます。それで問題が解決し、実行につながり、メンバーもワクワクしていたら問題ありません。でも、もし、議論が堂々巡りしてる、まとまらない、決断できない、決定しても実行されない、といったことが起きていたら、

普段使っている言葉を、表の右側の言葉に言い変えて「右脳的対話」を意図的につくりだしてみてください。そうすることで左脳的議論では絡み合ってみえた問題を解きほぐせます。

「モヤモヤしてることは?」

グラフィックファシリテーションを導入してくださるリーダーの方たちには、いくつかの共通点があるのですが、その中でも特徴的なのが、普段から表の右側にある言葉を日常的に使って会話をされているということ。その中でもやっぱり一番多く使われるのが「モヤモヤ」です。

必ずといっていいほど「モヤモヤしてるんだよ」と言われます。未来を見ているからモヤモヤしている。みんなの気持ちがついていこなければその未来を切り拓けないことを分かっているからモヤモヤしている。

モヤモヤしていない方が問題です。もし普段の会議で、メンバーから発言がない。反応が薄い。元気がない。目標や改革、改善、施策など、頭では理解していてるけれど腹落ちしていない。ToDoリストばかり増えて疲労している。生産性や実行のスピードを落としている。といった様子を感じたら、

一度立ち止まって「情報の共有」の前に、表の右側の言葉を使って「感情の共有」を。表にして細かく並べましたが、いちばんのキラーワード「モヤモヤ」を使って問いかけてみてください。「モヤモヤしてることはない?」定例ミーティングの最初の10分だけでもぜひ意図的に使ってみてください。普段の会議に「右脳的対話」を気軽に持ち込めるキラーセンテンス。一旦、立ち止まることは、オソイようでハヤイです。

グラフィックファシリテーションが導入される対話の場では


顕在化している箇条書きできる「課題」ではなく(list up)、まだ見えていない「本当の問題」を(MoyaMoya)。

「施策」や「解決策」(solution)の前に、「本当に解きたい問題」は何なのか(UltimateNega)。

「社会課題」(What Issue)ではなく、「だれが」どう困っているのか(How Who Cry)。


何をしたらいいか(to do)の前に、どうありたいか (to be)。


「何のために」(for What)ではなく、「誰をどう幸せにしたいか」(How Who Happy)。

我々は「どうすべきか」(We Should)の前に、「私は」「どうしたいか」(I Want)。


いかに安心安全に、楽しく、モヤモヤ・ネガネガ「ネガティブな感情の共有」ができるか。

対話の事前設計からご支援しています。



What GF

弊社のグラフィックファシリテーションは、
組織が、チームが、「心を1つに」本当に進みたい未来へ「行動」を起こすために、多様なメンバーの「気持ち」を汲み取り続けて伴走する一連の活動を言います。グラフィックファシリテーター®️やまざきゆにこ