グラフィックファシリテーションで定性調査(グループインタビュー)の現場でお手伝いさせて頂いたライオン「スーパーNANOX」のご担当者さまから
うれしいお知らせが届きました。

「ゆにこさんの仕事のやり方、記事になりました!ナノックスの開発秘話を取材を受けた内容です」

「デザイン思考のつくり方」(日経BP社)

本に「レコーディング・グラフィックの手法を使って」と書いてある一文。最初これを見た時は「レコーディング・グラフィックってナンだろ?」と思っていたら、わたしのグラフィックファシリテーションのことでした。ありがとうございます。日経の記者さんが、取材のときに「グラフィックファシリテーションを一般用語でいうとしたら、なんていうのかなあ」とおっしゃっていたそうで、NANOXご担当者曰く「蓋をあけたらこうなってました!」。記者さん、すみません、一般用語になるようがんばります。

「スーパーNANOX」のCM、嵐の二宮くんがさまざまな手強い汚れを落としていく「ニノがナノで受けて立つ!」というシリーズは、ご覧になったことありますか?

挑戦内容がどれもが、定性調査のときに主婦の方たちに語って頂いた「洗濯に対してあきらめていたモヤモヤネガネガ」から描けた絵たちなのです。例えば挑戦その4「ポケットにハンカチを入れたまま洗濯してしまって、干すときに気づいてガーーン。しょうがないからもう一回洗うけど、これも汚れ落ちてたらいいのにな」

わたしがお手伝いしたのは昨年の2015年5月なのですが、今年2016年2月に「スーパーNANOX」として発売。そしてまず最初に嬉しいご連絡を頂いたのは3月のあたま。「ナノックス誕生以来の過去最高シェアを本日出しました!」ヤッタ~!しかもその後、日経新聞でまたも嬉しいニュースを発見。「販売金額は計画比4割増で推移」「2割増産」。

絵筆を持つ立場から、今回のライオンさまの取り組みが本当にすばらしいなと思うことは、定性調査に参加してくださった主婦の方「一人一人が」洗濯で「あきらめてしまっている」モヤモヤネガネガを起点に、あれからブレずに最後まで「なんとかする」「ナノックスなら解決出来るから」絵空事に終わらせなかったこと。

私がお手伝いしたのは本当にほんの一部ですが、あの「生活者のモヤモヤネガネガ」を拾い上げるあのグルインに至るまでも、すでに、多くの人たちが関わっていて、いろんな想いと知恵が集まった場でした。そして、あれから今日に至るまでも、本当に多くの多くの関係者の方たちの才能と熱い想いがぶつかりあったはずで、下手すると方向性が迷ったりブレたりしてもおかしくないくらいなのに、「お客さま視点」をブレさなかった。当たり前のように見えますが、それを解決できる技術がすでにあったからとはいえ、だからこそ技術起点で商品を売りがちなマーケティングの世界では、やっぱりすばらしい。

まずは、この場を借りて心から感謝・御礼、申し上げます。こんな成功体験の一部にたずさわらせて頂きまして本当にありがとうございました。ただ、スゴいスゴい、嬉しい嬉しいと喜んでいられないのが、消費財のツラいところでもありますね。ビジョンづくりは企業や地域の長期的な視点で使われ続けますが、それと比べると、商品サイクルも、このメッセージも、なんと短命なことか。常に現在進行形。嬉しい結果も、それはすでに過去の積み重ねにすぎず、常に、未来に向って走り続けないと明日の結果は生まれない世界。共に前に向いていこうと思います。

ちなみに、この新しくなった「スーパーNANOX」本当に落ち方がスゴいんです。「センイ一本一本クレンジング」されちゃう様子がこちら。こんなの見せられたら、ねえ。我が家の洗剤は、あの日のグルインからナノックスです。

BEFORE

AFTER