こんにちは。グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこです。

ネガティブな感情を吐き出しきる」ことが前提のグラフィックファシリテーションでは「どんなアイスブレイクをしようか」と毎回、結構、真剣に、主催者や事務局の方と相談しながら決めています。今回は、同じ組織メンバーなら、お互いの意外な(?)一面を知って仲良くなれるアイスブレイクをご紹介します。これは私が考えたアイスブレイクなのですが、なかなか好評ですヨ。

進め方
①「長男&長女」「真ん中っ子」「末っ子」「一人っ子」のグループ(テーブル)に分かれます。
②自分たちの「いい面・得したこと」と「残念・損したこと」を全員で付箋いっぱい書き出しましょう。
(1)まずは各個人で書き出し 2分
(2)グループ内でシェアしながらダイアログ 5分
③全体発表:各グループ(テーブル)「いい面・得したこと」と「残念・損したこと」それぞれ3つ発表してください。

ポイント:質より量、重視!とにかく楽しみましょう♪

1グループ3~5人がおススメ。例えば「長男&長女」が8人いたら2グループに分かれます。

真ん中っ子」や「一人っ子」が、たとえ1人でも、事務局がテーブルに入って書き出しをサポートします。一人一人がいかにたくさん楽しく「じぶんらしさ」を発話できるかが、アイスブレイクではいちばん大事なので。

ちなみに、あるクライアント様でこのアイスブレイクを実施したとき、面白いことがありました。組織長と5年目の社員の方が「末っ子」チームで一緒になりました。どちらもお姉さんがいる弟という立場。それを知った他のテーブルの方たちが、二人を指さし「だから普段からああいう受け答えになるんだ~(笑)」とか「確かに共通点あるあるー(笑)」と何やら合点がいった様子で、とにかくみなさん盛り上がっておられました。また、別のクライアント様では、「長男&長女」チームは付箋もきれいにまっすぐ並べて書き出して、発表もビシッと決める。一方「末っ子チーム」は付箋もバラバラ、発表も「○○さんやってよ」「えー○○くんやってよ」となかなか決まらない。それを見ていた「長男&長女」はすかさず「そういう末っ子なところが腹立つのよ~(笑)」「本当に末っ子は甘やかされてる(笑)」とツッコんでおられました。また、もっと面白い効果は、アイスブレイクの後のワークショップでは、強面なベテラン上司の人たちへの不満をとうとうと語っていた若者たちがさいごには「ベテランの方たちともこの長男・長女・末っ子ゲームをやってみたいと思います」と言ってました。そうそう、そうなんですよね。結局はそんな素のつながりが、いい組織を育んでいくベースにあると思います。

こんな参加者が集まるワークショップにおススメ

参加メンバーが同じ組織で働いていながら、実はお互いのプライベートのことはよく知らない、もしくは、一部の人とは仲が良いが、組織やチーム全員がお互いのプライベートな一面も知ることで、もっといい組織になるのではと感じる場合。(参加メンバーや組織文化が、プライベートなことを話すことや自己開示することに抵抗がある多い場合や、その逆に、参加メンバーが、普段から個性や自己主張が強く、4タイプで分けられることに抵抗のある場合や、海外の方が多いワークショップでは、このアイスブレイクが逆効果の場合もありますので、参加者の顔一人一人を思い浮かべて取捨選択してください)

こんなネガをあつかうワークショップにおススメ

自分たちの会社や組織、仕事や人間関係について感じているモヤモヤネガネガを、参加者に忖度なく吐き出してほしいワークショップ。(ネガティブを扱うといっても、カスタマー視点に立って愚痴や不満といったネガティブな感情を吐き出すワークショップや、初対面でその日だけのアイデアソンなら、そもそもアイスブレイクが不要な場合も多いです。)

【このアイスブレイクから期待できる効果

・普段の様子からは分からないお互いのより素に近い性格を知る機会になること。せっかく同じ組織で働いているのに、想像以上にお互いのことを見た目や思い込みで判断していることが多いのです。
・このアイスブレイクでは、各グループ内の共通点を見つけることは、本来の目的ではありません。グループ内でも「違い」があることが面白くて素晴らしい。一人一人の「個性を表現できる機会」となることがいちばん大事なことになります。
・このアイスブレイクを実施した後にワークショップに入ると、「さすが長男!きちんと付箋を書き出してくれてありがとう(笑)」とか「末っ子はしょうがないなー(笑)」といった発言が聞こえてきたりします。普段の役職や肩書を忘れ一個人としての想いを語ってほしいワークショップには、そんなふうに効果を発揮していきます。

【このアイスブレイクを導入する、もう1つの狙い

付箋の書き出しに慣れてもらう。短時間で質より量で手を動かすことを体感してもらうため。時間の短さを体感してもらいテンポをつかんでもらうため。
「ネガ」を書き出す練習をしてもらうため。「ネガティブな発言はするべきではない」という思い込みを取り払うため。「ネガとポジは裏がえし」であること、「ネガの共有は楽しい」ということを体感してもらうため。

わたしは自分が双子なので、余計に兄弟姉妹という存在に憧れているせいもあって、普段から、初対面の人に必ず聞いてしまう兄弟姉妹構成。これって結構、その人の素がみえてぐっと近くに感じられる魔法の質問ではないかと思っています。ワークショップだけでなく、普段のちょっとした会話でもよかったら聞いてみてください♪