こんにちは。グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこです。

今回は、わたしのようなデータ分析はおろか「データをサイエンスするってナンデスカ?」という初心者の方にうってつけの入門書をご紹介します。

データサイエンティスト入門』野村総合研究所データサイエンスラボ[編] 日経文庫

↓こんな方には特にお薦め。

・「データサイエンティストって具体的に何をしているの?」とわたしのように全く想像すらつかない方。
・文系・理系に関係なく「データサイエンスは身につけておくべきビジネススキルの一つになっていく」と言われてるけど、「何から学べばいいの?」という方。
・データサイエンティストと言ったら「データ分析担当者?」「デジタルマーケティング担当の人?」「DXを推進する人?」「システムエンジニアのスゴイ人?」とわたしのように誤解している方。
・「社内のデータサイエンティストとうまくコミュニケーションがとれない」と彼らの思考や用語を理解したい方。
・「文系のじぶんもデータサイエンティストになりたいな、なれるかな」とリスキリングを考えている方。
・息子・娘が「データサイエンス学科に行きたい」って言ってるけど何を勉強するところ?という方。
・いろんな会社が「DX人材・デジタル人材」を採用する、育成するといっているけれど、自分には関係ない…なんて方にも。

分かりやすさ、保証します!というのも、わたしが昨年からヒ~ヒ~頭に汗をかきながら描いている野村総研プレゼンツYouTube動画『2分で解説データサイエンス用語の企画者でもあるみなさんが書いているからです。

毎回ド初心者のわたしに、根気よ~くデータサイエンス用語を解説してくださるデータサイエンティストの方々のお人柄そのままに、やさしく解説してくれていて、とっても読みやすい。

しかも面白い! 特に「第4章 データサイエンティストのリアル

「この章では、野村総合研究所で働くデータサイエンティストの経験をもとにした6つのストーリーをお送りします」で始まるこの章。以下、登場人物だけを抜粋してみましたが(これだけでも)現場のナマナマしいやりとりが読めること、想像してもらえるのでは。

「大手クレジットカード会社、旅行会社からの出向員、大手コンサルティング会社のコンサルタント、広告会社からの転職者、大手ファーストフードチェーンの情報システム部門で働くシステムエンジニア、大手製薬会社の営業職、大学の准教授、温泉旅館経営者、システム開発会社のコールセンター事業部部長」…などなど。

ちなみに、いっちばん最初の打ち合わせで、わたしは「データサイエンスラボ」の方に「データサイエンスってナンデスカ?」「DXみたいなことですか?」と超ふわふわした質問をしてました。そのときに、この本の著者であるSさんがおっしゃった一言でわたしの目の前の霧が晴れたんです。

「似ているようで全然違います」「個人的にデジタルって言葉、嫌い」「デジタルは信用できないけど、データは信用できる」

グラフィックファシリテーションの現場でも「デジタル」という言葉は「具体的な絵に描けない言葉」の1つだったので、まさにSさんの言葉に「分かる~!」と唸ってしまいました。紙の書類をデータにするだけでも「デジタル化」と言っている人もいれば「AIを活用すること」を「デジタル」と言っているときもある。

ちなみに「サイエンスって?」これについては、確かきちんとした説明を受けたのですが覚えきれず…わたしは自分の新人時代を思い出し、、、当時わたしは毎日、飛び込み営業。そんな時代に部長が「これからは営業を科学する時代だ」と言って、その後、今となっては当たり前のインバウンド営業の部門が生まれました。データを科学する。まあ、そんなところかなと(^^ゞ

上には目次もちらっとご紹介しましたが、改めてこの本を読み始める前にお伝えしておきたいことは、「データサイエンティスト」という仕事はまだぜ~んぜん確立していないんです、ということ。本にも書かれていますが、これはこの1年間YouTube動画で絵巻物を描いてきてわたし自身が実感していること。

これは言い換えると、「データサイエンティスト」と名乗っていても、人によってそのスキルや経験値はかなり違いがあって、ぶっちゃけ中には「なんちゃってデータサイエンティスト」さんもいるんだろうな…とも言えます。

でもそれは当然のこと。だって(大きな理由を3つ)

①彼らが身に着けなければいけないスキルには、気が遠くなるほどいろ~んな幅があるんです(例えば、いくらデータ分析力が高く予測精度を高められても、現場の人を変えられなければデータサイエンティストとは言えないし、パイソンもRも知らないわたしでも扱えるようにライブラリがあっても、やっぱり過去の経験値や職人技によるところで作業スピードや結果が大きく左右されちゃうという現実がまだまだあるんです、この世界)

②しかも、特に機械学習が世界基準で日々ものすごいスピードで進化していて、毎日データの山と格闘している人たちがどのくらいの人がそれにキャッチアップできているんでしょうか(YouTube解説動画では、基本的な用語だけでなく、今これが旬だよねという用語も扱っています。特に後者の打ち合わせでは、データサイエンティストさんたちの間で“ワールドワイドに盛り上がっているのをリアルに聞いたり、実際に海外の論文やサイトを見せて説明してもらうと、こっちまでワクワクたまらなく面白いのですが、こうした情報を追いかけていくのって本当に大変そう…)

③そして機械学習の性能が上がって、人間が根拠を説明できないブラックボックスなものがどんどん増えてきいてる。ド素人のわたしでも扱えそうなライブラリが出てきたら「データ入れて予測精度がめちゃくちゃ高い結果が出たんだから、中身がどんな計算しているか分からなくてもよくないですか?」みたいな人がこれからますます増えていきそう、、、という今まさに過渡期なんです。

そして実際問題、企業の中では経営や事業のトップが、データサイエンティストの方たちに『丸投げ』したり、言われたことを『鵜呑み』にしている、なんてことも「あるある」だそうです。

今はそれが大きな問題にならなくても、これからますます、データサイエンティストの方が「具体的に何をやっているのか(何が分かって何を分からず結論を出したのか)」知らないまま、「丸投げ」&「鵜呑み」では、とっても危うい。

そこで、しっかり(データサイエンティストではないあたなも)データサイエンスの「概念」だけは分かって使おうね、説明できるようになろうね、と取り組んでいるのが、野村総研さんのYouTube動画でもあるのです。

1年前は「データサイエンティスト」と言うだけで「へ~!スゴイ」と条件反射でリスペクトしていたわたしも、この1年で「リスペクト」&「インスペクト」という両目で見るのは大事だと思うようになりました。

データサイエンティストの方たちが「具体的に何をやっているのか」を知れば知るほど「自分はぜったいこんな気の遠くなる試行錯誤はできないわ!」とリスペクトする想いは無限に膨らんじゃっているのですが、この本の目次に従って、インスペクトしながら、じぶんも理解できる人・理解するために質問できる人になりたいと思ってます。

以上、長くなりましたが、よかったらぜひご一読を。(昨年2021年12月に発売されました)

データサイエンティスト入門』野村総合研究所データサイエンスラボ[編] 日経文庫

そして具体的な「データサイエンス用語」を聞きかじって、データサイエンティストさんたちの思考回路を理解してみたくなったら、YouTube動画もごらんください。

『ビジネスパーソンならこれだけは知っておきたいデータサイエンス用語』
https://www.graphic-facilitation.jp/category/datascience/

2分で解説 YouTube動画
第1弾「クッキーレス時代の到来とは?」
第2弾「機械学習と統計学の関係とは?」
第3弾「今注目の因果推論とは?」
第4弾「ディープラーニング」
第5弾「ベイズ統計」
第6弾「コンテクストマッチ広告」
第7弾「GPT-3」
第8弾「秘密計算」
第9弾「ベイジアンネットワーク」
第10弾「自動発注」
第11弾「回帰分析におけるt値とp値」
第12弾「時系列分析」
第12弾「AutoML」